DATA ANALYTICSAI&データアナリティクス

AI&データアナリティクスの取り組み

ユーザー理解のための課題探索型の調査

顧客価値向上および事業成長の最大化を図るための、UI/UXの取り組みとして、リサーチを実施しています。リサーチには定量調査と定性調査があり、定量調査にはアンケート調査やWeb解析、定性調査にはユーザビリティテストやデプスインタビューがあります。当社ではケースに応じて専門家が、リサーチ設計から実施、課題分析からソリューションの提案までを行っています。

私たちは、データのプロフェッショナルとしてAIやデータの利活用を通じて、多様な人々の「生きるを創る」社会に貢献することを目標に活動しています。

例えば、当社ではお客様への新商品や保障最新化等のご提案に、AIで構築した予測モデルを適用しています。具体的には、現在のご契約に関する情報などをもとにお客様ごとに最適なご提案内容、ご連絡の手段、時間帯をAIで推定し、販売代理店に情報提供することで、お客様にとって最適なタイミング、手段によるご提案を行っています。

2種類のプロによる貢献

このようなプロジェクトの成功の裏には、二種類のプロフェッショナルたちの活躍が潜んでいます。

私たちは、ユースケースPMとデータサイエンティストの二つの役割に分かれ、それぞれの得意分野や専門領域を活かし互いに協力し合いながらミッションに取り組んでいます。このAIによる予測モデル構築プロジェクトも、そんなユースケースPMとデータサイエンティストの協力によって成し遂げられました。

ユースケースPM

まず、ユースケースPMが営業マーケティング部門からお客様へのアプローチの方法に関する課題やニーズについてヒアリングを行い、それらをAIモデル開発の要件に落とし込んでいきます。実際のユーザーがどのような課題を抱えているのか、どのようなニーズを保有しているのか、それらを適切に汲み取るために、アフラックの業務とお客様のニーズに造詣の深いユースケースPMの知見が欠かせません。

データサイエンティスト

次にユースケースPMによって明らかにされた課題や、ユーザーのニーズに対して応えるために、データサイエンティストがデータの収集や特徴量の探索、そして高度な分析を行うためのAIモデルの構築を行います。XGBoostやLightGBMといった機械学習アルゴリズムを用いることがあるため、データサイエンティストの高度な知見はデータ分析に必須となります。

このように、ひとつのプロジェクトにおいてユースケース(利用シナリオ)の作成と管理を担当し、分析の方向性を正しく導くユースケースPMと、統計的な手法や機械学習アルゴリズムを用いて高度なデータ分析を行い、ビジネスへの応用と意思決定のサポートを行うデータサイエンティストの二つの役割の人たちが協力し合うことでデータドリブンな課題解決を実現しています。

データアンバサダー

データアンバサダー育成の取り組み

私たちは、当社におけるデータ分析および分析データの管理統括を担当しています。分析データ管理課の取り組みのひとつである、データアンバサダーの育成をご紹介します。

データアンバサダーの活動概要図

私たちは、多様なバックグラウンドをもつデータスチュワードメンバーで構成されており、データ分析の市民化を進めるために、データアンバサダーの育成も実施しています。

データアンバサダー育成は2020年から継続しており、すでに300人以上が認定されています。※2023年末現在
データアンバサダーは、全国の支社を含めた各部署から1-2名選出され、半年間の育成プログラムを履修します。自組織の課題を自ら設定し、解決のためのデータ分析を行い、結果を披露する卒業プレゼンで合格すると、データアンバサダーとして認定されます。その後、データアンバサダーは、自組織での問題解決に向けてのデータドリブンな判断・意思決定の貢献やサポートを実施していくことになります。

市民データサイエンティストを輩出

データアンバサダー育成プログラムは、それまでデータ分析の実務に触れる機会が少なかったデータ分析初心者でも参加できるように設計されています。基礎的な知識からスタートし、実際の業務に役立つスキルを身につけることができます。また、当社のデータサイエンティストが講師を務め、約半年間をかけてじっくりと育成しています。さらに、卒業後には、データ分析のスキルを磨き続け、極めていきたい意欲をもって、ラボへ異動して活躍しているメンバーもいます。彼らは、現場の知識とデータ分析の知見のハイブリッド人財として、他にない価値を発揮しながら、さらなる成長を遂げています。

以上が、アフラックにおけるデータアンバサダー育成の取り組みです。データ分析を一部のメンバーだけの役割にとどめず、すそ野を広げることで、データドリブンな意思決定のスピードをあげていくアフラックの挑戦はこれからも続きます。

生成AIについての取り組み

守りと攻めに全社横断で取り組む、アフラックの生成AI利活用の取り組み

今やその言葉をニュースで聞かないことがない生成AI。当社における生成AI利活用の取り組みをご紹介します。

業務アシスト画面のキャプチャ

2022年末から2023年初頭にかけて、生成AIが世界的に注目されました。当社も生成AIをいち早く導入し、新たな価値を生み出し、競争力を高めることを期待していました。 一方で、生成AIには従来のAIにはない特有のリスクがあり、そのリスクを適切に管理する必要がありました。 そのため、守りと攻めの両方の視点で全社横断のプロジェクト体制を作り、すでに多くの社員の業務効率化に貢献しています。

生成AIへ世間の注目が集まって間もなくの2023年4月に、ラボに所属するデータサイエンティスト、当社の業務に精通したユースケースPM、生成AIの基盤構築の知見者をはじめとした様々なケイパビリティを持つメンバーが集まり、当社における生成AIの利活用検討プロジェクトを立ち上げました。関係部署との連携を図りながら、生成AIに関する開発の知見も国内外にまだ少なく、政府の生成AIへの評価も定まっていない中で活動を進めてきました。守りの面では、生成AI特有のリスクを明示し、リスクを踏まえて活用することを定めた社内のガイドラインを制定し、e-learningシステムを活用して全社の知識とリテラシー向上に努めました。攻めの面では、生成AIが効果を発揮しやすい社内業務を特定して、システム開発を進めてきました。

そして、2023年12月には、全社員対象の生成AIシステム「Aflac Assist powered by GPT-3.5/4」をローンチしました。このシステムは、当社内の汎用的な業務支援が可能な「業務アシスト」、主に営業社員の時間創出に寄与する「営業活動アシスト」、代理店からの問い合わせを受ける「アソシエイツサポートデスク」の回答支援を行う「商品・事務問い合わせアシスト」の3つのユースケースを設定して、当社の業務効率化と新たな価値の創造への時間創出を進めています。

さらに、これからも機能拡充を進める予定です。全社あげてのチームワークと技術力の融合によって生まれた生成AIシステムの的確な利用によって業務の効率化をすすめ、営業や新商品の開発に費やせる時間を創出し、お客さまに向き合う時間をもっと増やしていきたいと考えています。

次期DWH構築の取り組み

データドリブンな分析・意思決定を強化する次世代のデータ分析プラットフォーム

私たちは、次世代のデータ分析プラットフォームの構築に取り組んでいます。この施策を通じ、データ分析やデータ利活用による意思決定を加速させ、お客様によりそう提案力の強化とコストの削減に貢献するべく、邁進しています。

データ分析プラットフォーム図

当社は、2024年に創業50年にあたりますが、創業以来50年かけて構築してきた情報システムと、そこに蓄積されたデータがあります。それらの情報システムやデータの多くは当社のデータセンターに配置されていますが、データが分散していることで、データを分析したいと考えても、容易にすべてのデータへアクセスしにくいという問題がありました。また、運用コストの肥大化という問題もありました。
そこで、データ分析のプラットフォームをクラウドサービスを利用した次世代のプラットフォームに移行し、分析に必要なデータを集約する取り組みを開始しました。「データの引っ越し」と考えていただくとわかりやすいかと思いますが、条件にあう新しい家を探し出して、50年住み慣れた家から移ると考えていただけば、その準備がどのようなものになるのか、想像していただきやすいのではないでしょうか。しかも、この引っ越しのために、当社の業務を止めることはできません。日々お申し出のあるご契約、保険金や給付金のお支払いに影響を及ぼさないようにデータ群を整理して、移行の事前準備や切り分けを進めるといった地道な作業も重要です。

そんな大変な思いをするなら、今の家に居続ける方が楽かもしれません。ですが、システム運用コストの源泉がお客様からいただいた保険料であることを考えれば、1円たりとも無駄にはできません。また、データドリブンな分析・意思決定を強化するため、大量データを収集・管理するデータベースを整備すること、そして各部門の社員による容易なデータ利活用および高度なデータ分析を可能とする新たなシステム環境の構築は待ったなしという信念のもとで、この活動を進めています。

データドリブンな判断・意思決定の加速のために、私たちは着実に取り組みを進めています。